よくある質問(FAQ)

はじめに

初診日、障害状態、保険料納付の3つの要件を確実に満たせば、ご自身で手続きも可能です。
等級は「障害認定基準」に定められていますが、検査数値や治療の事実をもって等級が認定される病気やケガもあります。その場合等級認定は比較的安心できます。ただし、自分が初診日だと思っていた日が障害年金の初診日とならない場合があったり、提出する書類が実際の症状と違った内容に仕上がっていたりする事
があるので、よく確認してから提出しましょう。

もし、何らかの病気や障害で生活に不安を感じておられる方がいたら、まず以下の3つの質問を自分に問いかけてみてください。
1 長期(1年6か月以上)の持病や障害がある。
*1年6か月を待たなくても認められるケースがあります。
2 仕事や日常生活に支障が出ているので周りのサポートが必要である。
3 65歳未満である。
*65歳以上でも条件が合えば受給できることがあります。
この3つ全部に✓がついたら、障害年金受給の可能性があります。
また、「障害」という言葉のイメージから病人は関係ないんじゃないかと思われる方もいらっしゃいますが、よく聞く病気、たとえばうつ病、がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、難病などもその状態によっては支給されることがあります。
上記3つに✓がついた方は、もう少し詳しく条件確認の必要があります。
障害年金を受け取るための3つの要件である初診日、障害状態、保険料納付の3つの要件を満たすことを証明するために年金事務所に書類を提出することを障害年金裁定請求手続きといいます。

初診日とは

障害認定基準には「初診日とは、障害の原因となった傷病につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。」とあります。
・初めて診療を受けた日とは、治療行為又は療養に関する指示があった日
・同一傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
・障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日
*相当因果関係があると認められる場合とは
たとえば、糖尿病性網膜症の場合は、糖尿病の初診日が障害年金の初診日 となります。
また精神疾患の場合は、精神科の初診日でなく内科等で不眠等の症状の訴え、薬を処方されているのなら、その訴えをした日が初診日となります。
このように初診日とは、その傷病で初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日で、治療行為や療養に関する指示があった日のことです。
必ずしも確定診断があった日(病名が判明した日、病名が確定した日)ではありません。
注意しなくてはいけないのが、初診日は、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日とされているため、医師または歯科医師でない整骨院での受診は初診日とは認められません。
傷病によっては治療行為を開始した病院、発症が確認された日や確定診断があった日を初診日とするケースもあります。
最初の受診では、すぐに診断名がつかなかったり、誤診だったりということもあります。その場合でも、基本的に最初に係った病院が初診になります。

初診日に関する具体的な例
具体例 初診日
・同じ病気やケガで転医がある
場合
1番初めに医師又は歯科医師の診療を受けた日
・はじめは違う病名だった場合
・はじめは誤診だった場合
違う病名であっても誤診であっても一番はじめに医師又は歯科医師の診療を受けた日
・知的障害 出生日(当時実際に診断・受診がなくても)
・知的障害を伴わない発達障害 実際の初診日
・先天性の疾患
心疾患、網膜色素変性症等
症状が現れて初めて医師又は歯科医師の診療
を受けた日
・健康診断で異常を指摘され
医療機関を受診した場合
治療行為や療養のために医師の診察を受けた日
*1
・相当因果関係がある病気や
ケガで受診したことがある場合
最初の傷病の初診日
・傷病がいったん治癒し再発
した場合
再発後に初めて医師の診療を受けた日

*1 はじめて治療行為目的で医療機関を受診した日の医証が得られず、医学的見地から直ちに治療が必要と認められる健診結果の場合、健診日を初診日とする様申立てがあれば健診日を証明する資料を求めたうえで初診日として認めることができる。

相当受診期間が空いた場合の初診日は

障害年金の場合には「社会的治癒」という考え方があり、ある一定期間治療を受けず生計に支障なく過ごしていた場合に、この社会的治癒として扱われる場合もあります。
いったん治癒したことが認められると、再発後の初診日がその傷病の初診日となります。
問題は、この「一定期間」とはどれくらいかということなんですが、残念ながら明確に定められているわけではなく、ある病気では5年で認められた場合もあり、10年近く空いていても社会的な治癒とみなされなかったこともあります。
年金機構はおおよそ7年程度と説明していますが、まさにケースバイケースといってよいのです。

障害認定日とは

障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日のことをいいます。
基本的には初診日から1年6か月経過した日、もしくは1年6か月経過するまでに症状が固定したときは、その症状固定を診断されます。
但し、1年6か月経過した日が20歳の誕生日到達前なら20歳の誕生日が障害認定日となります。
*治った(症状が固定した)とは
医学的に治癒したと認められなくても症状が固定し、これ以上治療の効果が期待できない状態の事をいいます。
初診日から1年6か月経過するよりも前の日が認定日になるのは
・人工透析療法を始めた(透析開始から3か月経過した日)
・人工骨頭または人工関節を挿入置換した(挿入置換した日)
・人工弁、心臓ペースメーカー、ICD、CRT、CRT-Dを装着(装着した日)
・人工肛門造設、尿路変更術(造設した日または手術日から6か月経過した日)
・新膀胱造設(造設した日)
・手足の切断(切断した日) などです。

障害等級はどのようにして決まるの

障害の程度が「障害等級」に該当していると認定されなければ障害年金は支給されません。
障害年金に該当する障害の程度・障害の状態は、国民年金施行令別表、厚生年金保険施行令別表に明記されています。
障害の程度が定められた障害等級に該当するか、該当するなら何級なのかは請求時に提出した「医師の診断書」や「病歴・就労状況等申立書」等の書類審査で判断されます。
認定するのは日本年金機構の認定医です。
障害等級は、具体的な審査の中で傷病ごとに定められた「障害認定基準」によって判断されますが、これにより自分で傷病の等級の目安をつけることもできます。
数値で程度をはかれない傷病もあるので請求してみないとわからないケースも多いですが、視覚障害や聴覚障害、その他検査数値で等級が明らかな傷病であれば障害年金をもらえるかどうかの見当をつけることも可能です。

認定日に受診していない場合、認定日請求や遡及請求はできないのか

認定日請求するためには原則、認定日以後3か月以内の診断書が必要です。
その間に受診していない場合は診断書を書いてもらうことはできず、認定日請求は難しくなります。
例外として、次のようなケースで病気やケガになった原因、治療の経過、病気やケガの特性、医学的観点から障害認定日の時点の障害の状態が等級に該当すると明らかなら、認定日請求・遡及請求が可能な場合がある。
たとえば、不可逆的な病気やケガの場合や「3か月以内」ではなく、少しずれた時期の診断書が提出できる場合などです。

働いていると受給できないのですか

働いていても障害年金を受給できる可能性はあります。
収入があっても必ずしも減額や支給停止されるわけではありません。
働いていても日常生活状態に支障がある場合障害年金をもらえる可能性があります。
障害年金受給者の就業率をみると、65歳未満の1~3級の就業率の合計は約3割となっています。
ここで問題となるのは「就労」がどの程度の労働のことを言うのかです。
障害認定においては、一般的な労働能力を指します。
働いているから、収入があるからといってあきらめる前に、「厚生労働省の障害認定基準の障害の程度」に該当しそうかどうかを確認してみることです。

障害手帳との関係は

手帳と障害年金に関しては、別の法律の仕立てですので全く別と考えてください。手帳を持っているからと言って障害年金に該当するとは限りませんし、その逆もありです。認定基準が全く別物なのです。

等級変更の申請はいつできますか

障害の状態が悪化した場合、等級を見直すために年金額の増額改定を請求することができます。これを額改定請求といいます。
更新の間隔が長くて次回の更新月になる前に重症になった場合や、更新の必要がない永久認定の場合でも、最初に認定された時よりも重くなった場合には額改定請求ができます。
遡って請求することはできませんので、症状が悪化したときには早めに手続きしましょう。

年金をもらっていますが、今から遡及請求はできますか

今から5年前までに申請している方で遡って請求できることを知らず誤って事後重症の請求をしてしまっている方ですと、今からでも遡り分だけ請求する方法があります。
〈提出書類〉
・裁定請求書(障害認定日の請求)
・診断書〈障害認定日時点〉
・戸籍関係書類
・病歴・就労等状況申立書〈以前申請した分以降の分〉
・障害年金取り下げ書
・理由書(前回事後重症請求とした理由が矛盾している場合は、その理由を説明)

事後重症って何ですか

事後重症とは、障害認定日には障害の状態になく、その後障害の状態になったので障害年金を請求することをいいます。
この事後重症の場合は、申請した翌月から支給されます。
但し、事後重症による障害基礎年金は、原則として65歳に達する日の前日までの間に請求したときに、その受給権が発生します。

65歳を過ぎていますが、申請できますか

基本、初診日が65歳より前にある場合ですと申請できます。
その場合は、障害認定日の診断書が必ず必要になります。
申請できないケースは以下の通り
・初診日が65歳以降である
・65歳以前であるが、老齢年金を繰り上げ請求した日以降の初診日である
・障害認定日の診断書が取れない
以上の3点に該当しなければ、65歳を過ぎても障害年金の申請が可能です。

では、65歳以降の初診日では一切請求できないの

国民年金に任意加入中であれば初診日が65歳以降であっても障害年金の対象となります。
老齢基礎年金の保険料は原則20歳~60歳までの40年間納付をしていなければ満額の年金を受け取れません。
しかし、納め忘れ等により納付期間が40年に満たない場合は、60歳~65歳の間国民年金に任意加入し満額の年金に近づけることができます。
老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間が10年以上必要ですが、この要件を満たしていない場合には、70歳になるまで任意加入することができます。
また、65歳以降も厚生年金保険の被保険者である場合には障害厚生年金の請求ができます。ただし、障害基礎年金は対象となりません。

65歳を過ぎていても、額改定はできますか

できる人もいれば、できない人もいます
65歳になるまでに(老齢基礎年金を受給するまで)一度でも2級以上の等級に該当した方は、障害基礎年金の受給権が発生しているため、65歳を過ぎても額改定請求ができます。
逆にずっと3級のままで2級になることがないまま65歳(老齢基礎年金を受給するように)になった方は、それ以降、障害年金の受給権は発生しません。
ですので、65歳を過ぎて新たに障害基礎年金の受給権を発生させることができないため、額改定請求を行うことができなくなります。

年金保険料を納めていること

保険料の納付要件をみるときは、初診日の前日時点で初診日のある月の前々月までの保険料納付状況を確認します。
初診日以降に過去にさかのぼって保険料を支払った分は障害年金の受給要件に含まれません。
初診日以降に慌てて支払ってもダメですよということです。
そのために初診日の前日時点での納付状況を確認します。
また、初診日のある月の前々月までの納付状況をみる理由は、年金保険料の納付期限が翌月末日のためです。
その時点で納付期限が過ぎている保険料は前々月分までになります。
もっとも未納期間があっても、納付条件をクリアすれば大丈夫です。
1 公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について保険料が納付又は免除
されていること
2 初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと(初診日
が令和8年3月31日以前であり、初診日において65歳未満である場合)
*保険料の免除とは別に「保険料の猶予制度」もあります。この保険料の猶予
期間も障害年金の受給要件を確認する際は免除期間となります。

 

初めて2級による障害基礎年金とは

障害等級1,2級に該当しない程度の障害の状態にある人が、国民年金の被保者期間中に新たに傷病(基準傷病)が生じ基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において基準傷病による障害と他の障害とを併合して初めて国民年金法施行令別表に定められた障害等級に該当するに至ったときに支給されます。
初めて2級による障害基礎年金の受給権の発生にあたり、65歳を前に請求することは要件とされていません。
したがって65歳に達する日の前日までの間に基準障害による障害基礎年金の受給権が発生しているときは、65歳に達した以降でもその支給を請求することができます。

すでにある障害基礎年金と新たな障害厚生年金を併合できますか

ある病気の初診日が国民年金の被保険者期間で、別の病気の初診日が厚生年金保険の被保険者期間であった場合、それぞれ認定をしてどちらかを選択するという形になり、併合して等級が上がるということはありません。
併合できるのは障害基礎年金どうしや、障害厚生年金どうしの受給権に限られます。

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